冬の朝に眠いのは、意志が弱いからじゃない。それぞれに流れる時間の話。
10月も後半に入りました。
朝はマイナスになる日があって、半月ほど前から、薪ストーブを朝だけつけています。 遠くの山はもう白くなっていて、森には雪虫が飛んでいます。 目の前の日高山脈も、そろそろ雪をかぶるのではないかなと思っています。
秋は終わるんだな、という感じがしています。
今日は、体のご相談で「冬の早起き」の質問から気づいたことをお伝えしていきます。
川にも、鶏にも、木にも、それぞれの時間が流れている
朝の散歩で川を見ていたら、日の光がさして、すごくゆっくり流れているところもあるんですよね。川のゆっくりとした時間。
やることはたくさんあるのだけれど、川のゆっくりした時間を過ごしていると、自分の中にも、ゆっくりした時間の流れにあるな、と気づきました。
森には鶏と猫がいて、森なので虫もたくさんいて、植物も含めて、生き物がいっぱいいます。
鶏には鶏の時間。猫には猫の時間。 ミントや野菜のような一年草は、1年で種からわーっと伸びて、種をつけて、子孫を残すところまでやります。 木は、芽を出して育つまでに、とても時間がかかります。
本当に、いろんな時間があるなと、暮らしながら感じています。

「冬の早起きって、どう思いますか」
植物療法士として、健康のご相談を受けることが多いのですが、この間、「冬の早起きって、どう思いますか」と聞かれました。体の時間の話しです。
その方は、この夏から早起きを習慣にして、スムーズに気持ちよく起きられるようになって、朝にやりたいことができるようになって、とてもいい感じだったそうです。 でも、だんだん眠さが出てきた、というお話でした。
決まった時間に起きるのは、習慣をつくるうえで、とても大事なことです。 でも、それにとらわれすぎると、体には負担がかかることになりかねないなと思いました。
24時間は、人が決めた共通言語
24時間も、365日も、人が決めたものです。 言葉やお金みたいな、共通のもの。 同じ尺度でものごとを捉えるための、社会のための時間なんですよね。
お金で考えると、わかりやすいかもしれません。 ものの価値を「何円」と決めたのは人間で、とても便利です。
うちは、卵が1日に7個も採れるので、よく物々交換をします。 卵が、プリンになったり、ビールになったりします。
プリン2個とビール6本は、お金で測ると、金額はバラバラです。 でも、受け取る側の気持ちとしては、同じ卵が化けてきたもの。 うれしさは変わらない。物々交換のあいだに、お金という共通言語はいらないなと思うんです。
時間も、同じだと思っています。
社会のための時間は、覚えるもの。 体の時間は、覚えなくても、体がもう知っているもの。
子どもが時計を覚えるのに苦戦するのも、24時間365日は絶対なことではなく、社会の尺度なんだなと思います。
体の時間は、外の環境から受け取っている
いつ起きるかは、体の時間の話です。
体には生体リズム(バイオリズム)があって、日の光や、暑い、寒いといった、外側の環境にとても影響されています。 外側の情報を体が受け取って、体を調整している。
外の環境は、変わるので、24時間365日という一定の共通言語では、測れない部分があるんです。
時間というと、寸分違わぬ時計を思い出しがちです。 でも、本当は、変わるものだと思っています。
季節でも、その時でも、心の状態でも変わるし、土地によっても違うかもしれません。 成長のスピードによっても、大人と子どもでも、感じる時間は違うかもしれない。
昔の時間は、環境のリズムに合わせて動いていた
昔から社会のための時間はありました。 でも、冬は夜が長く、夏は昼が長くなるように調整されていました。 何年かに一度、ひと月増やして、まわりのリズムと合わせる、ということもやっていました。
環境のリズムと、社会の時間が合うように。
それが、365日24時間と決められたときに、少しずつ、生体リズムから離れていった部分があるのではないかなと、質問をもらって思いました。
もちろん、社会のための時間がなかったら、待ち合わせもできません。 グローバルないまの世の中では、とても不便です。だから、どちらも大事なんですよね。 ただ、自分の体や心のことを決めるときは、社会のための時間に、固執しないほうがいいなと思います。
気持ちいい朝は、日の出から数えてみる
体の時間を知るのに、おすすめの方法は、日の出から何分後に起きると気持ちいいか、を見てみること。
たとえば、夏の5時半が、自分にとって起きるのが気持ちいい時間だったとします。
でも、10月のいま、同じ5時半だと、ちょっと眠い。
そのときは、夏の5時半が、日の出から何分後(または何分前)だったかを思い出してみます。
日の出の時間は、調べればすぐわかるので、いまの日の出から同じだけ後(前)の時刻を、計算してみる。
そうすると、夏の5時半より、遅い時間が見えてくると思います。
あくまで計算上なので、実際にその時間に起きてみて、自分の調子を見てみます。
そんなふうに、環境に合わせて調整してみるのも、ひとつの手かなと思います。
正解は、「気持ちいい」という感覚
大事なのは、「面倒くさい」「起きるのがつらい」「もう少し寝ていたい」という感情ではなく、
自分の「気持ちいい」という感覚に合わせていくこと。
今のちょっと眠い状態は、気持ちいい状態を忘れてしまっている状態なので、計算して心地よさを探す方法ですね。
規律が、いまの自分を縛っているかもしれない
体には体の時間が、心には心の時間が、流れています。 日によっても、季節や天気によっても、変わります。
だから、違和感や不調、「眠いな」と感じたときは、一度、太陽と自分の関係を振り返ってみてほしいです。
時間が習慣になっていて、その規律が、いまの自分を縛っている可能性もあります。
もやもや、違和感、眠いというのも、体からのお知らせです。
大事にしてほしいなと、わたしはいつも思っています。
あなたにとって、気持ちいい朝は、日の出から何分後ですか?




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